記録・分析ガイド / 独自ケーススタディ

1試合を最初から分析する

架空の試合記録を使い、数字を並べるところから、映像で確かめる場面、次の練習テーマまでを一続きで示します。

前提

ここで使うチーム名、選手、数値、試合状況はすべて説明用の架空例です。実在のチームの成績や、HOOPROVE導入による効果を示すものではありません。分析の手順を再現できるよう、判断材料と限界を含めて公開します。

試合設定

ミニバス年代の練習試合を想定します。自チームは65得点、相手は68得点。試合前のテーマは「守備リバウンド後に急いで前進し、数的優位を作る」でした。

得点65
FG24/66
eFG%40.9%
ターンオーバー16

1.クォーター別に並べる

架空のクォーター別記録
Q2P3PFTTOOR得点
1Q5/121/42/46415
2Q4/102/53/43517
3Q3/111/62/25211
4Q6/132/54/62622
合計18/466/2011/16161765

合計だけならFG成功率36.4%、eFG%40.9%です。ただし、得点が低い3Qだけを見ると、TOが5回、2Pが3/11、3Pが1/6でした。まず「シュートを外した」ことと「シュートまで行けなかった」ことを分けます。

2.シュート位置を二つに分ける

位置成功/試投成功率確認したい場面
ペイント内2P14/3243.8%接触、利き手と逆側、パスを受けた位置
ペイント外2P4/1428.6%守備との距離、ショットクロック、足の準備
3P6/2030.0%ノーマークか、ドリブル後か、リバウンド配置

「FGが低いからシュート練習を増やす」と決める前に、ペイント外2Pが14本あった理由を確認します。映像メモでは、そのうち8本が最初のパスコースを切られた後、残り時間が少ない状態で打ったシュートだった、と仮定します。

3.ターンオーバーを場面で分ける

種類回数代表場面
パス7サイドライン側で止められ、受け手が同じ位置に残った
ハンドリング4リバウンド後の1本目のドリブルで中央へ入り込んだ
キャッチ3走りながら後方からのパスを受けた
バイオレーション2トラベリング、ラインクロス

16回のうち11回が1Qと3Qに集中しています。共通点として、相手が得点後からボールへ強くプレッシャーをかけた状況を選びます。ここまでで、シュートフォームだけを主要課題にする根拠は弱くなります。

4.記録から練習へつなぐ

FACT

記録

1Q・3QにTOが11回。パスTOが最多。

SCENE

場面

サイドで止まり、受け手が同じ高さに残る。

HYPOTHESIS

仮説

ボール保持者だけでなく、受け手の移動と間隔に課題。

ACTION

次の練習

サイド開始の3対3。5秒以内に出口を二つ作る。

5.40分の練習メニュー

  1. 8分:2人組で、パス後に同じ位置へ止まらず45度またはバックドアへ動く。
  2. 12分:サイドラインから始める3対3。攻撃は5秒以内にパスコースを二つ作る。守備はボールへ圧力をかける。
  3. 12分:リバウンド後の3対2。中央とサイドのどちらを使うか、守備位置を見て選ぶ。
  4. 8分:5対5。サイドで止められた後に出口を二つ作れたら追加点。通常得点とは別に記録する。

6.次の試合で測ること

目標を「TOを0にする」とはしません。相手や試合展開が変わるためです。次の試合では、①サイドでボールを止められた回数、②5秒以内にパスコースを二つ作れた回数、③その後シュートまで進めた回数を記録します。TO総数は補助指標として残します。

この分析で断定できないこと